賃貸契約する際に、保証人を立てないといけません。昔は親兄弟に保証人になってもらっていましたが、近年は親族関係の問題で頼みにくい状況があったりで、保証会社が保証人になってくれる物件も多くあります。

アパートを探していると【保証人不要】なんて書いてあるのがそれです。

保証人を立てられない人にとっては神のような保証会社ですが、契約書の内容をよく見ると、「家賃滞納を3カ月続けた場合は、借主に通知しなくても追い出しできる」という条項があったりするようです。

3カ月滞納したら、即刻アパートを追い出されてしまう

家賃を払っていないのですから当然といえば当然です。支払っていない家賃は保証会社が大家さんに払っているので、保証会社はサッサと出ていってほしいわけですね。

先日この件について、借主サイドの消費者団体が「条項は違法」を申し立て、VS某保証会社と裁判が行われ、保証会社の「追い出しは違法」という判決が出ました。

よって、借主側はすぐに追い出される事はなくなるわけですが、これって本当に借主、弱者救済になっているのか?微妙に思います。

保証人さえ立てられない人は本当に多く、これまでは保証人がいないのが原因で賃貸できなかったのです。そこに神のような保証会社があらわれたんです。それならば、神に感謝して毎月の家賃は何としても払うべきではないかと思います。

いやいや何かしら事情があって払えなくなったんだから、すぐに追い出すなんて可哀想!とか思っちゃうんでしょうが、それなら、もしあなたが兄弟の滞納している家賃3ヶ月いきなり払えと言われたら、怒りますか?怒らずに滞納分即払いますか?

以前、私も独立開業時に賃貸業務も幅広くやっていましたが、保証人の親兄弟に、滞納分払って下さいとお願いしても、6~7割の方は「なんで!!」という対応なんですよね。うちの息子が滞納してすみません!いますぐ払います!ではなく、そんなこと年金生活の私らに言われても困る、兄とはずっと疎遠だから今更いわれても...とか平気で言われます。

そんなこんなで、アパート契約さえ困難な人を救ってきたのが保証会社なんで、そこに家賃を支払わないでも住み続けられますってなると、もうこの世に神はいなくなるのでは?と容易に想像できます。

それなら家賃を払えなくなった人はどうしたらいいのか?となりますが、自治体に相談して下さい。生活保護の申請などで家賃を確保して下さい。そして問題が解決した際には、また自力で家賃を払う、自由な生活に戻ればいいのではないかと思います。

今回の判決は、弱者の首を更に絞めつけてしまった結果ではないか危惧しています。今後は支払いが困難になる可能性の高い、低賃金の方、特に高齢者には賃貸がもっともっと厳しく審査されると思います。

そういう意味でも、将来設計というものは若いうちから考えておくべき、大切なことなんです。

そろそろ定年だしマイホーム買わないと!返済年月を考えるともうマイホーム買わないと年金生活が大変になる!というお客様が大変多いのも、その年齢になって初めて事の重大さ、自分の置かれている状況のヤバさに気づくのかなと感じています。

自分の思うように生きられると思っている若い世代には、なかなか中高年の生活を思い知れ!と言っても伝わりません笑。

私も親には、「あんたも親になったら私の気持ちがわかるよ」「この年齢になったら嫌でもわかるよ」と鼻で笑われ、教えられていたことを事あるごとに思い出します笑。

ある程度計画を持つことも大切ではないかという話でした。