敷地の広い田舎でたまに見かける、実家の敷地に若夫婦の小さな家を建てておられる風景。過去に何度かここで話した記憶がありますが、私の個人的な意見ですが、やめたほうが無難です。


実家の敷地で家を建てれば、土地を購入しなくてもいいので、その分建物にガンガンお金をかけることができます。構造にも設備にもいい素材を使えるので魅力的に感じることでしょう。また、お子様が小さい間はジジババに送迎や子守を任せられ、共働きのご夫婦には大変安心です。ジジババにとっても将来介護問題でも非常に都合がいいです。

ここまでのメリットは超絶うらやましい内容ですが、この件ではメリット以上にやや恐ろしいデメリットが潜んでいます。


昨今では離婚するカップルがとても多いのですが、敷地内カップルの離婚はさらに多いです。なぜか?毎日のストレスが原因だと思います。実際、ご夫婦とお子さまだけの核家族であっても、毎日生活を共にすると喧嘩はあります。そこにすぐ隣に両親の目があるとプラスでストレスが加わり、毎日が苦痛になります。

離婚までには至らずとも、敷地内での生活に耐え兼ね、アパートに出ていくという方もおられます。

これは逆もしかり。若い家族の感覚についていけないジジババが『今どきの若者はどうなってのか!子育てしつけがしっかりできていないじゃないか!いつまで寝てんのか!!』そばで目につきやすいだけに不満爆発です。。。


また、実家のご両親がお元気なうちはいいのですが、将来実家が空き家になってしまった時。実家を維持し続けるか、解体する必要が出てきます。どちらにしても費用がかかります。火災保険をかけ続けたり、台風や災害にも常に不安がついてまわります。


それでも、どうしても実家の敷地内に家を建てなければならない!という方には、敷地内のどのあたりで建築するかは大いに悩んで下さい。


どちらか一方を売りたい!となった時にどちらも売れないということになります。どちらか一方だけ売りたいケースがほとんどになるのですが、どちらにしても敷地内に他人がウロウロしているような物件を高値で買いたい人はいません。売るにしても安値でたたかれます。このような話は何件も相談されますし、知人でも困っている方をよく見かけます。


決まって言われるのは、『敷地内になんか建てなければよかった...』お金の清算も関わってきますから、その後悔は非常に大きいです。

離婚しても切り売りできずに困っている、怒りが収まらず親子の縁を切ったなどなど、『かわいかったはずの孫の顔も、もう見たくない!ウチと若夫婦は別家庭と認識して下さい。』そう町内会に届けたという話もあります。


この1年でも何組も、『本当に敷地内に家を建てても大丈夫か?』といった切実なご相談を受けました。が、私は全てNOと答えています。もちろん私の個人的な見解なので押しつけはしませんが、全員別々に家を持つ判断をとられました。

これも一つのリスク分散だと思っています。


ジジババとちょっとだけ距離を置いて楽しく暮らせる!互いにメリットがある!という夢のような敷地内別居ですが、互いに相当な覚悟を持って進めないと、最悪なつらい結果になってしまいます!本当にそれで大丈夫?友人知人、先輩方の経験なども聞かれて総合的に判断されるといいのかなと思います!

せっかく大金をかけるんです!ジジババもみんながずっとハッピーライフを送れますように!