スーパーで野菜を買ったり、イオンで服を買ったり、一般的なお店で売られている商品は、お客さんが買いたい!と思えばすぐに買えますよね?

お金を払いさえすれば誰でも買えます。

マイホームも、土地も、ビルも買いたい!と思えば、お金さえ払えば誰でも買えます。

ただ、不動産は買いたくても買えない時がよくよくあります。

売主さんが「売りたくない」「この人だけには売りたくない」と思った時です。

そんなことあるの?

どうせ買ってほしいんでしょ?お金欲しいんでしょ?なんて思っていたら大間違い。

わかりやすく言うと、飲食店なんかで迷惑なお客さんがいると出禁になりますよね?

極々まれに一般的なお店でも「あなただけには売りません」ということもあるようですが、それは、とんでもなく迷惑なお客さんに対してだけで超超まれな話です。

では、なぜ不動産では「売らない」ということがよくあるのか?

よくあるのは、住みながら家を売りに出している時

内見時に、売主さんも同席することがありますが、売主さんの前で、「汚い」「間取りが変だ」などなど文句ばかりつける人がいます。売主さんの気持ちはどうでしょうか?絶対にこの人だけには売らないとなります。

これはホントによくあるパターンです。

また、あまりにも細かいことばかり注文をつけてくる人にも売りません。売主さんの気持ちになると、この人は買った後も、永遠に文句をつけてきそうだな、面倒くさいなと思うからです。

みんなトラブルは避けたいのです。

数年前ある契約で

買主さんが、契約中に無理難題をおっしゃったので、「ご理解いただけないようでしたら、この契約は白紙となります」と伝えしました。

契約中に3回ほど無理を要求されたのですが、それは誰がどう見ても無理でしょう。という内容でした。

最終的には、私の説明で買主様も快く承諾され無事に契約完了したのですが

隣のブースで契約の様子を聞いていた売主さんが、「窪多さん、よくこの契約をまとめましたね。スゴイです。私が窪多さんの立場だったら怒って絶対に絶対に売りません。絶対に契約しません!!」「窪多さんの説明は素晴らしかったです。ありがとうございました。」普段は超冷静な売主さんですが、この件では驚きのあまり感嘆しておられました。

売主さんから褒めてもらえたのはもちろん嬉しいですが、私は仲介業者として、常に中立的な立場を守っているだけです。

一見、売主さんだけを安全に守ったように感じるかもしれませんが、実は買主さんも守っています。不満のある買主さんにも嫌な思いをしてまで契約しなくていいんだよ、今なら白紙解約できるから、と選ぶ権利を教えてあげています。

どちらにとっても平等に対応するのが仲介業者の役目です。

モノが高額なため、お金を払う買主さんが、ついついエライと思われがちですが、不動産売買では「エライ」という概念はなく、売主さんあってこそ、その物件を買えるわけで、言うなれば、どちらも同じ平等な立場なのです。売ってくれから買えるし、反対に買ってくれる人がいるから売れる。

不動産を買うことは長い人生で1回か2回の経験しかなく、一般のお買い物のように安易に思われるのも仕方ないのですが、その点はご理解いただいたほうが、よりいい買い物ができると思います。

また、最近たまにある勘違いで、

私たち不動産会社は、アットホームにたくさん広告を掲載していますが、その掲載物件すべてを、掲載している不動産会社が所有していると思っておられます笑。

以前「私がこの家を買ったら、アイビスさんに2580万円もお金が入ってくるんだよね?もうちょっと値引きしてよ~」と言われたことがあります。。。

2580万円私がもらえるなら...超ラッキーです笑。

2580万円は売主さんのものです笑。1円たりとも私のものではありません。

不動産売買は、普通の買い物とはちょっと感覚が違うので、わからない方は何でも質問してくださいね!