賃貸とは違い、持ち家には「家賃」のような固定費用はかかりませんが、その代わりに固定資産税などの税金の支払いがあります。

そして、固定資産税に限らず、税金の滞納をすると財産の差し押さえをされる事があり、持ち家はその差し押さえの対象になるのです。

今回の記事では、すでに税金を滞納してしまっている方、今後滞納をしてしまうことが予想される方に向けて、どんな対応が必要になるのかご紹介させていただきます。

税金の滞納や住宅ローンの支払い困難については、どうしても周りに相談しにくい事も多いと思いますが、一日・一秒でも早い専門家への相談がとても大切です。差し押さえの対象になってからではできない対策もたくさんありますので、お心当たりのある方は今すぐ0120-920-134までご相談ください。

不動産屋さんへの相談はどのタイミングがいい?

まず、結論から述べてしまいますが、すでに税金を滞納されている方、もしくは新型コロナウイルス等の影響により、今後収入が減って滞納してしまう恐れがある方は、できるだけ早くのご相談をお勧めいたします。

なぜできるだけ早い相談が必要なのか

税金の未納を軽く考えている方も多くいらっしゃる様ですが、税金の支払いは国民の義務で定められた納期限までに納める必要があります。

ですが、もしお金の工面ができなくなったとき、多くの人が税金の支払いを後に回し、目先の支払い(公共料金・住宅ローン)を優先するでしょう。つまり、税金を滞納してしまっている、もしくは滞納する可能性があるということは、その後の各種支払いも滞る前兆と捉える事ができます。

特に住宅ローンがまだ残っている持ち家の場合、どれだけ税金の支払いを後に回したとしても、住宅ローンの支払いに追われてしまう可能性が高くなります。

滞納も初期の段階であれば対策ができますが、長期間の滞納をしている場合や、住宅ローンや公共料金の支払いまで滞ってしまっている場合では、対策をするための時間もほとんど確保できません。

仮に不動産を売却して返済するとしても、売却にかかる時間を確保する事ができず、結果的に安く買い叩かれてしまう可能性が出てくるのです。

結果的に全ての滞納を解消できたとしても、早い相談をしていただいた方が手続きにかかる費用が安くなるのはもちろんのこと、その後のお客様の生活が立て直しやすくなります。

滞納状況によっては手遅れになってしまうことも・・・

どのような滞納状況だとしても、アイビスホームでできることは精一杯対応させていただきますが、どうしても手遅れもになってしまうという事も少なくありません。

特に、滞納による市や県から通知を無視し続け、納付の相談や取るべき手続きをしていない方の場合、すでに財産調査などに着手している事があり、相談を受けている間に差押登記をされてしまうこともあります。

※差押登記があると、その不動産は自由に売却する事ができなくなります。

差押登記がされている不動産でも、場合によっては任意売却にできる場合がありますが、差押前の状態と比べると遥かに手続きが複雑化し難易度も上がります。

すでに公売の開札日が決まっているような状況では、ほとんど時間はありません。

分割での納付も差し押さえの対象になる事があります

税金を未納分について市役所などに納付の相談に行き、分割での納付をお願いしているから差し押さえはされないと思っている方も多いと思います。

ですが、実際には分割で納付していても差し押さえの対象になる事があります。

法律では「督促状、もしくは催告書を発行した日から10以内に差し押さえが可能」と定められているので、分割納付中であっても差し押さえをする事自体が可能です。

事例としては数は多くないかと思いますが、分割納付しているからと安心するのではなく、その分割納付がいつ終わるのか、分割中にかかる新しい税金の支払いはどうするのか。など、きちんと資金計画を見直してこのまま今の生活ができるかどうかを確認する事が大切です。

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税金を滞納すると持ち家はどうなるのか

実際に税金を滞納すると、持ち家はどの様になるのでしょうか。財産差し押さえまでの流れをご紹介します。

ここでご紹介するのはあくまでも一例ですので、滞納している金額や過去の支払い状況などによっては、違った流れになる事もあるかもしれません。

①税金支払いの督促状が届く

税金の支払いが滞ると、納期限から20日以内に自治体(市区町村・道府県・国)が督促状を発送します。

この督促状が発送されてから(手元に届いた日ではなく、発送した日)から10日を過ぎると、法律上はいつでも財産の差し押さえができる様になります。

そのため、もし支払い能力がある場合は10日以内に完納をするか、できない場合は督促状の発行元に問い合わせをして状況を説明する様にしましょう。

②電話や訪問による通知・催告

10日以内に完納されない場合、多くの場合は再度督促状や通知書が届きます。文書で届く事もあれば、係の人が直接訪問をされる事もあるでしょう。

もし直接係の人が訪問された場合や、電話での通知があった場合には、正直に今の状況を説明します。ハガキや文書での通知の場合は記載されているお問い合わせ先に連絡をしましょう。

嘘の申告をしたり、納付の目処が立っていない状況での完納の約束などはしないように注意してください。

③身辺調査・財産調査

滞納の状態が続くと、身辺調査・財産調査が行われます。これは分納で納付している最中であっても行われる事があります。

この調査が終わると、どの財産を差し押さえれば完納できるのか、実際に納付ができる状況なのか(故意的に納付をしていないのか)なども把握できる様になります。

勤務先や家族構成などについても調査が入ります。

④財産の差し押さえ

身辺調査が終わり、差し押さえをしないと完納されないと判断されると、実際に財産の差し押さえが入ります。

ただし、家や土地などの不動産が差し押さえの対象になるのは一番最後で、まずは預金や現金、給料などが差し押さえの対象になります。それでも完納できない場合、骨董品や車、不動産などの「売却して現金化できる財産」が差し押さえの対象になります。

持ち家が差し押さえられたらどうなる?

差し押さえになる前にご相談に来ていただくのが一番ですが、ここでは差し押さえになった時の流れをご紹介します。

次のどれかに当てはまる人は、すでに差し押さえされている状態ですので、いますぐの対応が必要になります。

①差押登記がされ差押書が自宅に届く

不動産を差し押さえるには、登記に差押の記載をします。その時、差押登記をしたということを伝えるために、自治体から差押書という書類が届きます。

この差押書が届いたら、すでに登記に差押の記載がされているということです。

差し押さえされている不動産は、抵当権と同様で所有者の判断だけでは自由に売却する事ができません。もちろん取り壊しや貸し出しも一緒です。

②完納できない場合は公売による物件換価

差押書が届いたら、すでに差し押さえがされている状態ですので、いつでも公売にかけられる状態です。公売を避けるためにはそれより前に完納をするか、自治体に相談をして任意売却をお願いするしかありません。

この時、ご自身だけで相談をしに行ったとしても、資金計画や任意売却後の納税計画などが立てられませんので任意売却の許可を取るのはほぼ不可能です。

必ず不動産屋さんに早急に相談をしてください。

不動産屋さんによっては、このような状態の不動産は取扱経験が少なく、依頼を断られてしまう事もあります。アイビスホームでは過去にも難しい状態の不動産取引をたくさん経験してきましたので、まずは一度ご相談ください。

残された時間はあとわずか

差し押さえをされた不動産の場合、任意売却の許可をもらうために残された時間は残りわずかです。具体的には公売の開札日前日まで。

もしすでに差押書が届いている方がいらっしゃいましたら、今からでも専門家に相談をしてください。

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公売で落札された後の生活は?

中には「支払えなければ公売でも競売でも売り払って自己破産すればいい」とお考えになる方もいるかもしれませんが、実際に公売で不動産を売却された後はどうなるのか見ていきましょう。

落札後は2ヶ月以内に退去(強制退去)

公売によって落札された場合、落札後から2ヶ月以内に退去をしなくてはいけません。もし退去しない場合、落札した購入者によって強制退去を命じられます。

強制退去になると、退去日に各業者が家に集まることになりますので、通常の引っ越しとは異なり近所でもかなり目立つかもしれません。

賃貸物件の契約が難しくなる事もある

落札後2ヶ月以内に新しい居住場所を探さなくてはいけないのですが、場合によっては賃貸の契約が難しい事もあります。

入居審査自体は税金の滞納などの「信用情報」は影響しないと言われていますが、入居時の保証人として保証会社を使う場合は、保証会社の審査が通りにくくなります。

通常の引っ越しでも2ヶ月で物件を探すのは難しい事もありますが、差し押さえによる引っ越しでは2ヶ月という期間はとても短いので早い準備が必要です。

債務整理・個人再生・自己破産をして再出発

公売によって得た売却益で、全ての税金や借入の支払いができる場合は問題ありませんが、多くの場合は住宅ローンやその他の借入などの返済が残ります。

もし返済が残っている場合は一括での返済が必要になりますが、親族などからの借り入れができない場合は返済ができませんので、債務整理等をして再出発をするしかありません。

ただし、債務整理(個人再生・自己破産)の手続きにも弁護士費用などがかかりますので、もしこういった費用が用意できない場合は、法テラスを利用するなどの方法があります。

法テラスでは弁護士費用を後払いにする事ができますので、すぐに弁護士費用が用意できない場合などは利用することを検討しましょう。ただし、あくまでも後払いになるだけで弁護士費用が必要ないというわけではありません。

自己破産しても全ての支払いが免除されるわけではない

自己破産=借金チャラ

こんなイメージを持っている人も多いと思いますが、自己破産をしても支払い義務が残るものがあります。

  • 未納分の税金
  • 損害賠償
  • 慰謝料・養育費
  • 罰金

公売や競売で売却された場合、一般的には住宅ローンから優先して返済されることがほとんどです。そのため、住宅ローンの残高によっては未納分の税金が丸々残ってしまう事もあります。

もし未納分の税金が丸々残ってしまうと、ただ持ち家を失うだけで、その後自己破産しても納税ぎむだけが残ってしまいます。

税金未納による差し押さえと住宅ローンの抵当権の両方があった場合、納税期限が抵当権より早い場合は税金の支払いが優先になりますが、多くの場合は住宅ローンの抵当権の方が先に設定されているため、住宅ローンの返済が優先されることになります。

滞納してしまう税金はどんな税金?

不動産に関係する税金としては「固定資産税」「都市計画税」などがありますが、納めるべき税金は他にもたくさんあります。

国税所得税、復興所得税、相続税、贈与税、自動車重量税、消費税、酒税 など
地方税個人事業税、法人事業税、自動車税、不動産所得税、固定資産税、都市計画税、住民税、軽自動車税 など

消費税などの間接税は消費者の代わりに事業者が納税をするので、個人が未納になるということはありませんが、それ以外の直接税(自分で直接納税をする)では未納になる可能性があります。

どの税金においても、滞納が続くと差し押さえなどの行政処分がありますので注意しましょう。

早ければ早いほど対策方法がたくさんあります

相談しにくいお金の話ですが、相談が早ければ早いほど対策方法はたくさんあり、場合によっては不動産の売却をしなくても済む事もあります。

所有している不動産によっては全部の売却ではなく一部の売却で済むかもしれませんし、少し生活水準を下げるだけで大切な愛家を守る事ができるかもしれません。

アイビスホームは不動産屋さんですが「町のたよれる不動産屋さん」を目指していますので、お客様の今後の生活を考えてのご提案をさせていただきます。時には不動産屋さんらしくない提案もあるかもしれません。

目先の問題だけではなく、その先にある大きな問題に発展させないためにも、一度ご相談にお越しください。