相続した不動産、離婚や転勤により住むことができなくなった不動産。売却する理由は様々ですが、やっとの思いで売却を決意したのに、なかなか売却ができない。そんなお悩みを抱えている方も少なくありません。

不動産の売却には、不動産屋さんと売主様が同じ意識で協力し合うことが大切です。

売りに出している不動産が「売れない理由」はどこにあるのか、どう対策したらいいのかを考えていきましょう。

不動産が売れないとどうしても焦りが出てしまいますが、契約内容などによってNGな行動もありますので、できるだけ落ち着いて冷静に判断していくようにしましょう。

売却活動が詰まっている場所を考える

不動産を売却するためには、様々な売却活動が必要になります。大きく分類すると、物件を知ってもらう物件を比較・検討してもらうといった二つの活動が必要です。

①と②のどちらの売却活動で詰まっているのかを考えることで、売却活動をどのように改善していくのかの判断の基準になります。

売却活動①物件を知ってもらう

物件を多くの人に知ってもらうために、、不動産屋さんでは「新聞折り込み」「ネット掲載」などの売却活動を行います。

この「知ってもらうための売却活動」がうまくいっていない場合、内覧希望者やお問い合わせが少なく、物件を実際に見てもらう機会が少なくなります。

このような場合には、不動産屋さんにどのような売却活動をしているのか、レインズへの登録はどのようにしてあるのか(間取りや画像の掲載)などを確認してみましょう。

売却活動②物件を比較・検討してもらう

チラシやネットを見て物件に興味を持ってくれた買主様は、、実際に物件を見て他の物件と比較・検討してくれます。

もし、お問い合わせや内覧の数はある程度あるのに、なかなか成約に結びつかない場合は、この売却活動について見直す必要が出てきます。

内覧当日の対応はもちろんのこと、居住中の物件の場合は掃除を含めた見栄えの問題についても取り組む必要があります。

物件へのお問い合わせ・内覧希望者が少ない場合の対策方法

物件へのお問い合わせや内覧希望者の数については、、媒介契約を結んでいる不動産屋さんから定期的に報告があります。一般媒介契約の場合は報告義務がないため、もし報告がない場合は定期的に不動産屋さんに連絡をして確認するようにしましょう。

ここでは、物件へのお問い合わせが少なく、物件を知ってもらうための売却活動うまくいっていない可能性があるときに、どのような対策が必要になるのかご紹介していきます。

対策①販売価格の見直し

買主様が数ある物件の中から気になる物件を探すのに、特に注目するのが「販売価格」です。高い安いはもちろんのこと、、その地域や築年数に見合った価格かどうかというのも重要なポイントのひとつです。

不動産屋さんからもらった査定額を基準に販売価格を決定しますが、最終的には売主様ご自身の判断での決定となります。

特に一般媒介契約の場合、専属専任媒介契約と比べると不動産屋さんとの打ち合わせの回数や時間が少なくなったり、売主様の個人的な判断で決定していく傾向が強くなります。

高すぎるのはもちろんのこと、単に安くしたからといってすぐに売れるわけでもないのが不動産売却の難しいところ。価格の決定や値下げについては、担当の不動産屋さんと相談し、納得のいくまで説明を受けるようにしましょう。

不動産の売却価格は常に一定というわけではなく、売却シーズンによっても多少の上下があります。価格の上下については知識がないまま判断するのは難しいため、専門家のアドバイスを受けて判断するようにしましょう。

対策②広告・販売活動の見直し

広告などの販売活動の方法は不動産屋さんごと、物件ごとに異なります。

媒介契約を結ぶ前に、売却活動の基本的な方針などについては不動産屋さんから説明があると思います。あまりにもお問い合わせ数が少ない場合には、定期的にどのような売却活動をしているのか報告を受けるようにしましょう。

実際に配布しているチラシの確認はもちろんのこと、どの地域にどれくらいの量を配布しているのかも重要になります。

チラシの制作や配布方法が適切かどうかは、売主様がご自身で判断したり改善するのは難しいこともあります。ですが、掲載している写真の見栄えをチェックしたり、間取り図やアピールポイントが掲載されているのかを確認することはとても大切です。

特に「レインズへの登録」の確認は、囲い込み対策にも重要になります。媒介契約を結んだ時に確認するだけではなく、定期的に確認をしましょう。

レインズに登録されている内容が不十分に感じる場合、取引情報が「公開中」以外になったままの場合などは、きちんと不動産屋さんに確認を取るようにしましょう。

内覧から購入申し込みに繋がらない場合の対策方法

お問い合わせや内覧の数はそこそこあるのに、なかなか購入申し込みに繋がらない場合は、物件の状況(掃除・荷物)の見直しや当日の対応について見直してみましょう。

対策③掃除・片付け

居住中の物件を内覧してもらう時には、、掃除や片付けが行き届いているかどうかを確認しておきましょう。

掃除や片付けは完璧に丁寧に行うのではなく、ポイントを押さえておくことが重要です。例えばお子様がいるご家庭であれば、子供の遊び道具を全て隠すのではなく、子供が遊びやすく綺麗に見えるように収納できていると、買主様が子供との生活を想像しやすくなります。

その他、掃除や片付けには次のようなポイントがあります。

  • 見せられない場所・部屋を作らない
  • 玄関・水回りは特に綺麗に掃除する
  • 庭や外回りに不用品をおかない
  • 匂い対策

室内だけではなく、、庭や駐車場に不要なものが放置されているだけでも見栄えや印象は悪くなります。

また、普段気づかないだけでご家庭特有の匂いがあります。排水溝やゴミなどの嫌な臭いだけではなく、ご家庭それぞれの生活臭にも気をつけ、消臭剤や芳香剤などをおくようにしましょう。

強い臭いの芳香剤などは逆効果になることもあります。ご家庭の匂いについてはご自身では気づくことが難しいこともありますので、友人や離れて暮らす家族など、普段生活をともにしていない人にチェックしてもらいましょう。

対策④当日の内覧対応

空き家になっている物件では、基本的に不動産屋さんだけでの対応となります。もし不動産屋さんだけの対応で成約になかなか結びつかない時は、どのような対応をされているのか、具体的な説明をしてもらいましょう。

居住中の物件で売主様も内覧対応される場合、物件のいいポイントだけではなく、周辺の生活環境などについても確認しておきましょう。買主様からどんな質問がくるのか、どんなことを準備しておけばいいのか、あらかじめ不動産屋さんと打ち合わせしておくことも大切です。

また、、内覧当日は予定の1時間前くらいにしっかりと換気をしておきましょう。家庭特有の匂いや湿気の対策になります。換気をするときは家中の空気がしっかりと入れ替わるように、部屋の対角線にある窓を開けて換気します。

※全ての内覧者が購入を検討しているわけではない

お問い合わせや内覧をしてくれる買主様の中には、まだ具体的な購入を考えていない人や、予算には合わないけど内覧だけしてみたい。という買主様も多くいらっしゃいます。

また、物件によっては内覧から成約までが難しい物件、内覧まではいきやすい物件など様々です。

内覧が多いのに成約に結びつかないと、どうしても焦りの気持ちが出てきたり、内覧のご対応に疲れてしまいますよね。できる限り焦らずに心に余裕を持って売却活動ができるように、不安なことなどは不動産屋さんにしっかりと相談して、納得のいく売却活動を続けることも大切です。

契約中の不動産会社を変えたいときは

不動産屋さんに売却の依頼をするときは、媒介契約と呼ばれる仲介をするための契約を結びます。この媒介契約には「一般」「専任」「専属専任」の3種類の媒介契約があり、どの媒介契約を結んでいるかによって不動産会社を変えるときの対応などが変わってきます。

媒介契約の種類の違いについては「一般媒介と(専属)専任媒介の違いは何?信頼できる会社との専任媒介契約が成功の鍵」をご覧ください。

一般媒介契約で売却活動をしている場合

一般媒介契約では複数の不動産屋さんと契約を結ぶことができますので、、契約期間中であっても他の不動産屋さんに相談をして、同じように一般媒介契約で仲介を依頼することもできます。

ただし、闇雲に依頼する会社を増やせばいいというわけではなく、きちんと信頼のできる不動産屋さんだけに依頼するようにしましょう。

また、一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」の2種類の契約種類があり、前者の「明示型」の場合だと、どこの不動産屋さんと一般媒介契約をしているのかを通知する必要があります。そのため、不動産屋さんによっては売る気がなくなり、売却活動に消極的になってしまうことがあるので注意が必要です。

専任(もしくは専属専任)媒介契約で売却活動をしている場合

専任もしくは専属専任の媒介契約(今後は専任媒介契約に統一)では、、複数の不動産屋さんと同時に契約を結ぶことができません。

また、契約を結んだときの内容にもよりますが、契約期間中は他の不動産屋さんに相談に行くことも控えるようにしましょう。万が一契約違反による契約解除になった場合、最大で仲介が成立したときの仲介手数料と同額の違約金の支払いが必要になります。

専任媒介契約で売却活動をしている場合の対策としては、まずは契約期間が満了するまで待ちます。専任媒介契約では最大で3ヶ月と法律で定められており、自動更新になることもありません。また、万が一契約書に3ヶ月以上の期間が書かれていたとしても、契約の有効期限は3ヶ月となります。

この契約期間が終わった後でしたら、他の不動産屋さんに相談したり、契約することができるようになるので、契約期間中は情報収集に徹するのも一つの手です。

不動産屋さんが報告義務を怠っていたり、レインズへの登録をしてないなどの契約違反をしている場合は、契約期間中でも違約金なしで解約することができます。

売却には時間がかかるので焦らないことも大切

不動産の売却には平均で半年程度、長ければ数年の時間が必要になることもあります。人気のエリアや開発中のエリアなど、売れ筋の物件でない限りは年単位での売却期間を考えておくことが大切です。

とはいえ、売却理由には様々な理由があり、どうしても早く売却したいこともあります。そんな時は買取や買取保証つき仲介などの売却方法も検討するようにしましょう。

アイビスホームでの買取の場合、最短で20日での現金化が可能です。

また、アイビスホーム独自の「アイビス式買取」では、買取のように早い現金化で、仲介と同程度の買取金額になることもあります。こちらの買取方法は、実際にご来店していただいたお客様限定でのご案内となりますので、売却でお悩みのお客様は是非お気軽にご相談に来てください。