土地探しをしていると、思わず安さに目が行く「旗竿地」。同じ立地なのになんでこんなに安いんだろう・・・。車は入りにくそうだけど、他にはどんなデメリットがあるのかな?なんて疑問がたくさん出てきますよね。

今回の記事ではそんな旗竿地について、メリット・デメリットとあわせて購入を検討するときの注意点もご紹介いたします。

旗竿地は道路から離れた場所に住宅を建てられ、静かな暮らしが実現しやすい一方、対策が必要なデメリットもあります。きちんと特徴を理解して、信頼のできる不動産屋さんから購入するようにしましょう。

旗竿地とはどんな土地!?

一般的な土地は正方形や長方形など90度に近い角が4つの綺麗な形に整形されています。このような土地を整形地と呼び、綺麗に整形されていない土地を不整形地と呼びます。

旗竿地はこの不整形地の一つで、一般的は道路に面した部分の土地が狭く、奥に進むと広がるような形状になっています。(図1)

広い土地を相続し、その一部を高く売るために分割する時などに生じやすいと言われています。

図1

旗竿地のメリット

  • 販売価格が安くなりやすい
  • 車の走行音が気にならない
  • 通行人の視線が気にならない
  • 竿部分の土地を有効活用できる場合がある
  • 外観を気にしなくていい

販売価格が安くなりやすい

旗竿地に限らず、整形地と比べて不整形地は販売価格が安くなりやすい傾向があります。旗竿地の場合、一般的には同じ立地・広さの土地と比べて15%前後価格が安くなります。

ただし、竿部分の土地には建物を建てるのが難しいため、通常の整形地に比べて広い土地が必要になります。そのため、実際の土地の購入費用が高くなる可能性もありますので注意が必要です。

車の走行音が気にならない

旗竿地は道路から奥まったところに住宅を建てることになりますので、比較的交通量の多い道路沿いの土地でも、車の走行音が気にならないことがほとんどです。

竿部分の長さや、周りに住宅があるかどうかによっても変わるため事前に現地を確認しておきましょう。

通行人の視線が気にならない

道路から奥まったところに住宅を建てることにより、周りに住宅があれば道路を歩く通行人からの視線を遮ることができます。

庭遊びはもちろんのこと、通行人からリビングが見えないので、プライベートな空間を楽しみやすいのも旗竿地のメリットの一つです。

竿(路地)部分の土地を有効活用できる場合がある

竿部分は車が通る程度の幅しかないことがほとんどですが、土地の条件や建てる住宅によっては有効に使える場合があります。

多い例では竿部分は駐車スペースとして割り切ってしまうことで、旗部分を広々と住宅と庭に使うことができます。

土地の広さがあまりない場合は、旗部分全てを住宅として使うことで居住スペースを有効に確保することができます。

※消防法や建築基準法によって立てられる建物の制限等がありますので、購入前にきちんと確認しておきましょう。

外観を気にしなくていい

旗竿地は四方が住宅に囲まれている場合が多いため、道路などから人目につく事がほとんどありません。そのため、住宅の外観をあまり気にしなくてもいいという事もあります。

帰ってきた時の外観(駐車スペース・庭側)だけにこだわり、裏側は多少手を抜いたとしても自分からも周りからも見えないため、うまく活用することでコストの削減や間取りの自由化に繋げましょう。

旗竿地のデメリット

  • 無駄なスペースができる可能性がある
  • 外構工事が高くなる
  • 風通しや日当たりの確保が難しい場合がある
  • 建築基準法により家が立てられない場合がある
  • 工事車両が入れない可能性がある
  • 電気・水道・ガスの引き込みでトラブルになる可能性がある
  • プライバシーやセキュリティ面で注意が必要

無駄なスペースができる可能性がある

竿部分をうまく活用できる場合はメリットになりますが、一方でうまく活用できるプランが作れない場合、大きなデメリットにつながる可能性があります。

例えば竿部分の幅が2mしかない場合、駐車スペースにすると車のドアが開けられなくな炒め、駐車ペーストして利用する事ができません。

この場合、竿部分はただの通路(私道)として使用するしかないため、竿部分が無駄なスペースとなります。

外構工事が高くなる

住宅を建てる場合、住宅以外の建造物(庭・アプローチ・駐車場・境界塀)にもお金がかかります。

旗竿地の場合、整形地に比べて必要になる塀が長くなるため、外構費用が高くなることがあります。

すでに塀が用意されている場合や、隣地との関係で外構が必要ない場合などもありますが、基本的には外構費用が高くなるということを念頭に置いて購入を検討するようにしましょう。

風通しや日当たりの確保が難しい場合がある

奥まった土地に建てることで、静かでプライベートな空間を楽しめる一方、四方が建物に囲まれてしまうため風通しや日当たりの確保が難しくなる場合があります。

特に旗部分の土地が広くない場合、隣家とのスペースが十分に確保できません。

隣家とのスペースが確保できないと、日当たりの確保はもちろんのこと、気軽に窓を開けることもできないため、より風通しが悪くなる場合があります。

全館空調の家や吹き抜けなどを作るなどして、風通しや日当たりの確保が必要になる場合も少なくありません。

建築基準法により家が立てられない場合がある

旗竿地で最も注意が必要なのが、竿部分の幅です。

建築基準法により路地幅が2m以下の土地には住宅を建てる事ができません。そのため旗竿地を購入する場合は竿部分の幅が2m以上あるかを確認するようにしましょう。

※すでに建物がある場合、路地幅が2m以下の場合は立て直しができません。(一度壊すと新しく建てる事ができない)

※竿部分の長さによっては3m以上の幅が必要な場合もあります。購入前に消防法や建築基準法に適している土地かどうか確認しましょう。

工事車両が入れない可能性がある

建設する住宅によっては、大型クレーン車などの重機が必要になる場合もあります。竿部分の道路幅が狭いと重機が入れない事があり、施工自体ができない事もあります。

また、施工会社によっては対策費用などの追加料金がかかる場合もありますので、事前に確認をするようにしましょう。

電気・ガス・水道の引き込みでトラブルになる可能性がある

四方が住宅に囲まれた旗竿地では、電気・ガス・水道の引き込みをする際、隣地の下を通す場合があります。このような場合、法律的には問題なくても実際には隣家の住人に許可が必要となり、許可が得られないことでトラブルに発展する場合もあります。

購入してから引き込みができずに手付かずになってしまった。なんて事がないように、媒介をする不動産屋さんで、あらかじめこのようなトラブルが起きないように対処しているかどうか、しっかりと確認してから購入しましょう。

プライバシーやセキュリティ面で注意が必要

道路に面していない旗竿地では、通行人からのプライバシーの確保は問題ありませんが、隣家からのプライバシー確保が難しい場合があります。

特に庭を用意する場合は3方向の家からリビングが丸見えになる可能性もあります。2階リビングなどにして対応する必要があるかもしれません。

また、道路に面していないことで、泥棒(空き巣)が入りやすい環境になる事もあります。(一度入ってしまえば人目につきにくくなる)

ホームセキュリティに加入するなどの対策もしっかりと検討しましょう。

旗竿地を買うならここに注意!!

  • 竿部分の幅を確認(最低2.5m)
  • 前面道路幅を確認
  • 施工会社に事前相談(施工ができるかどうか)
  • 信頼できる不動産屋さんから購入する

竿部分の幅を確認(最低2.5m)

竿部分の幅は消防法による制限だけではなく、実際にどのように使用するかによっても必要な幅が異なります。

2m以上あれば建築基準法的に問題ないとしても、駐車場として使用するには2mでは足りません。ドアの開け閉めなどを考えると最低でも2.5m以上は必要になります。

また、路地部分に塀などの外構工事をするのであれば、その分の余裕も必要になります。

路地として使用するのか、駐車場として使用するのかにもよりますが、使用用途にあった幅がきちんと確保できているのか注意が必要です。

前面道路幅を確認

竿部分を駐車場に使用する場合など、道路からバック駐車をする事が想定されます。その場合、前面道路幅が4mで竿部分の幅が2.5mでは何度も切り返しが必要になります。

竿部分を駐車場に使用する場合は、前面道路幅が最低でも4.5m以上交通量が少ない立地を探すようにしましょう。

施工会社に事前相談

旗竿地の住宅建設の場合、施工会社によっては追加料金が必要であったり、施工自体が不可能な場合もあります。

せっかく土地を安く購入したのに、施工費用が割増になってしまった・・・。など本末転倒になってしまう事もありますので、土地探しと並行して施工会社選びも慎重に時間をかけて行うようにしましょう。

信頼できる不動産屋さんから購入する

不整形地のような販売が難しい土地は、不動産屋さんによっては売ることを諦めて放置している場合もあります。

その場合、購入後の水道等の引き込み工事で隣家とのトラブルにつながる可能性が高くなります。また、隣家との境界線などがしっかりしているかなどの確認も必要です。

このあたりの対策はご購入者様が自分で対策するのが難しいものですので、同じ土地を購入する場合でも担当する不動産屋さんが信頼できるかどうかしっかりと見極めるようにしましょう。

見極める一番のポイントは、とにかく質問しまくること!些細な疑問についても面倒な顔をせずに丁寧に説明してくれる不動産屋さん、担当者を探してみてください。

ポイントを抑えれば旗竿地の購入は怖くない!?

旗竿地のような不整形地は、整形地に比べて建てられる住宅に制限ができたり、注意すべき点が多い厄介な土地ですが、その反面上手く活用することでお得に満足度の高いマイホームを手に入れる事ができます。

ネット社会の現代では、上手く活用するための情報もたくさんありますので、ご自身で調べながらきちんと専門家に相談することで、理想のマイホームを手に入れましょう。

大切なことは自分でも調べ、専門家にも相談することです。どちらか一方の情報だけに頼るのではなく、クロスチェックを心がけるようにしましょう。

専門家への相談も、1社ではなく複数社に相談することで、より安心できますよ♪

アイビスホームでは不動産の相続に関する相談はもちろんのこと、土地探しから家づくりのご相談も承ります。不動産屋さんとしてお客様の家づくりにたずさわってきた経験と、社長自身の家づくりの失敗と成功の経験も生かしてアドバイスさせていただきます。

不動産でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談にきてください(^^)