マイホームの購入を検討する際、「マンション」か「戸建て」のどちらがいいかな?と悩まれる方も多いのではないでしょうか。

地域によって迷う必要がない地域もありますが、地方でもできるだけ駅近の物件を選びたいとなると、この選択肢で迷うことも少なくありません。

この記事ではマンションと戸建てそれぞれの特徴やメリット・デメリット、そしてトータルコストの視点から考えるポイントについて詳しく解説します。

マンションと戸建て、それぞれの特徴とは?

まず、マンションと戸建てには根本的な違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、自分たちの暮らしにどちらが適しているのかを判断しやすくなります。

マンションの特徴

  • 共有部分の管理が充実:エントランスや廊下、エレベーターなどの共有部分は管理組合や管理会社によって整備され、常に清潔で快適な状態が保たれます。
  • 利便性が高い立地が多い:マンションは駅近や都市部に多く建てられるため、通勤や通学、買い物などの利便性が高い物件が多いです。
  • 上下左右に住人がいる:上下階や隣室に他の住人が住んでいるため、防音性やプライバシーの確保が重要になります。

戸建ての特徴

  • 土地が自分のもの:戸建ては建物だけでなく土地も所有するため、将来的な資産価値が期待できる場合があります。
  • 自由度が高い:リフォームや修理、庭の活用など、住まいに関する決定権が自分にあります。
  • 郊外に多い:都市部よりも郊外に建てられることが多く、広い敷地や自然環境を求める人に向いています。

特徴から見ると「購入した物件の自由度と立地」が比較対象

それぞれの特徴を見ると、マンションでは駅近などの「好立地」な物件が多いが共有部の問題や上下左右に人が住んでいることから「自由度」という面を考慮する必要があります。

一方で戸建て住宅の場合、郊外に多いなど立地面でマンションに劣ることが多いものの、庭や駐車場など購入した物件での普段の過ごし方に関する「自由度」という面で、マンションにはないメリットがあります。

購入後にかかるトータルコストを比較

「マンションと戸建て、どちらが得か」を考える際、重要なのが購入後の維持費用です。住宅ローンの返済だけでなく、固定資産税やメンテナンス費用など、長期的な視点で考えることが大切です。

固定資産税

  • マンションの場合
    マンションの固定資産税は専有部分(自分の住戸)の評価額を基に計算されますが、共有部分も按分して負担する必要があります。そのため、広いマンションや高層階の物件では税額が高くなることがあります。
  • 戸建ての場合
    戸建ては建物と土地の両方に固定資産税がかかります。広い土地を所有している場合は税負担が大きくなりますが、築年数が経過すると建物の評価額が下がるため、税額も徐々に減少します。

維持費用

  • マンションの維持費用
    マンションでは、毎月の管理費と修繕積立金が必要です。管理費は共有部分の清掃や設備の維持に使われ、修繕積立金は大規模修繕や設備更新のために積み立てられます。これらはマンションの規模や設備に応じて異なりますが、年間で数十万円以上かかることが一般的です。
  • 戸建ての維持費用
    戸建ての場合、管理費や修繕積立金のような固定費はありませんが、修理やリフォームの費用は自己負担となります。屋根や外壁の塗装、給湯器や設備の交換など、長期的には一定のメンテナンス費用が必要です。

光熱費

マンションは一般的に断熱性能が高く、冷暖房の効率が良い場合が多いですが、高層階ではエレベーターの使用頻度や共用設備の電力負担が間接的にコストに影響することもあります。一方、戸建ては広さや建物の構造により光熱費が変動しますが、設備や断熱性能を向上させることで節約が可能です。

最近では建売住宅でも断熱性能がとても高い物件も多くなってきていること、太陽光発電システムや蓄電池の導入によって、戸建て住宅でも光熱費を抑える選択肢が増えてきています。

トータルコストから見るとマンションの方がコストがかかるのが一般的

マンションも戸建ても「購入した時の状態」をできるだけ維持しようと思えば、購入後のメンテナンス費用なども大きくかかります。

ここで重要になるのが戸建てであれば「自分達の意思」で、どの程度の維持費用をかけるかを選択することができるということです。

維持費をたくさんかけてもいいから30年後もピカピカの状態で過ごしたい。

とりあえず老後まで住み続けられる程度のメンテナンスでいい。

戸建てであれば、このように自分たちのライフプランに合わせてメンテナンス費用を調整できますが、マンションの場合は自分の意思とは関係なく毎月決まった金額の「修繕積立費用」がかかります。

また、この積み立てたお金は基本的に「共有部分」などの修繕に使われるので、自分の住んでいる部屋のメンテナンスは別途費用がかかり、リフォームがしたいとなると手続き等が面倒になることもあります。

マンションと戸建てのメリット・デメリットを比較

ここでは、それぞれのメリットとデメリットをまとめて比較してみます。ここではわかりやすくするために簡単にまとめていますが、実際にはそれぞれ「物件」によってメリットデメリットも変わってきます。

ここで書いているデメリットをクリアしている物件も多くありますので、どちらか悩んでいるご家族の場合、まずは両方ともいろんな物件を見てみるようにしましょう!

マンションのメリット

  1. 利便性の高い立地:駅や商業施設に近い物件が多く、都市生活に便利。
  2. 町内会などへの加入の必要性がない:戸建てと違いマンションの場合は周辺の掃除やゴミ置き場の掃除など、町内会(自治会)への参加をしない人が多い。
  3. 管理の手間が少ない:共有部分の清掃や維持は管理会社が行うため、手間がかからない。
  4. セキュリティが高い:オートロックや防犯カメラなど、セキュリティ設備が充実している物件が多い。

マンションのデメリット

  1. 管理費・修繕積立金の負担:毎月の維持費用が高額になる場合がある。
  2. 自由度が低い:専有部分以外は管理組合のルールに従う必要がある。
  3. 隣人トラブルのリスク:上下左右に住人がいるため、騒音などのトラブルが発生する可能性がある。

戸建てのメリット

  1. 土地を所有できる:資産価値が下がりにくい場合がある。
  2. 自由にリフォームが可能:自分の裁量で修繕や改装を行える。
  3. プライバシーが確保できる:隣家との距離があり、音漏れの心配が少ない。

戸建てのデメリット

  1. 管理の手間がかかる:庭の手入れや設備の修理を自分で手配する必要がある。
  2. 郊外が多い:通勤・通学の利便性がマンションに比べて劣る場合がある。
  3. 固定資産税が高くなることも:広い土地や新築物件では税負担が大きくなる可能性がある。

どちらを選ぶべきか?ライフプランに合わせた判断を

マンションと戸建てのどちらが「お得」かは、家族のライフスタイルや将来設計によって変わります。以下のポイントを参考にして、自分に合った選択肢を見つけましょう。

マンションが向いている人

  • 都市部で利便性を重視した生活を送りたい
  • 管理の手間をできるだけ減らしたい
  • 防犯対策がしっかりした環境で暮らしたい
  • 老後の一人暮らし
  • 仕事が忙しいなど町内会への参加をしたくない人

戸建てが向いている人

  • 自然や広い敷地の中でゆったりと暮らしたい
  • 子供と一緒に庭遊びがしたい
  • 将来的にリフォームや改築を考えている
  • プライバシーや騒音対策を重視したい

ライフプランに合った物件を見つけるポイント

マンションか戸建てか・・・。という問題に限らず、ご家族のライフプランに合った物件を探すのに、最も大切なポイントは「不動産屋選び」・・・ではなく「担当者選び」。

大小様々な会社規模の不動産屋さんがありますが、「会社の名前」で選ぶのではなく、自分の担当になってくれた人が信頼できるかどうかで選ぶということです。

一つの店舗にも複数人の担当者がいますが、同じ店舗内で別の担当者にお願いをするのは気が引けますよね・・・。最初の来店時にどの担当者になるかくじ引き的な要素もあると思いますので、同じ不動産会社でも別店舗に行ってみるなどできるだけ多くの担当者をみて「担当者を見る目を養う」ことが最優先!

担当者が良ければ理想の物件が見つかるまで一緒に探してくれますし、担当者が悪ければいい物件が見つかっても購入できないことも・・・。

まとめ:マンションと戸建ての違いを理解し、自分に合った選択を!

マンションと戸建てには、それぞれに異なる特徴とメリット・デメリットがあります。特に、購入後にかかるトータルコストや、将来の生活設計において考慮すべき点が多いです。どちらが「お得」かを判断するには、単なる初期費用だけでなく、維持費や資産価値、家族のライフプラン全体を見据えて検討することが重要ですね。

もちろんトータルコストなどの金銭面の比較も大切ですが、将来的にどちらの方が家族が幸せに過ごすことができそうか。という視点も忘れず、専門家に相談しながらじっくりと検討を進めていきましょう!